保護者、地域等学校関係者の皆様への教育長メッセージ

最終更新日：2025年11月6日

保護者、地域等学校関係者の皆様への教育長メッセージ(68)

『ゲーム・ネット・スマホとのつき合い方』

　先日犬山市で「尾西地区学校保健大会」の記念講演会がありました。『神経発達症とゲーム・ネット・スマホ -デジタル機器とのつき合い方を考える-』という演題で素晴らしい講演を聞きました。つき合い方のポイントのみを羅列することにします。講師は子どものこころ専門医（精神科医）の吉川徹先生です。

　「支援対象者（子ども）に対しては、先回りして提案しておく
　知らないうち間に、何の約束もなされないまま、守られない約束が放置されたまま、デジタル機器が使用されている状態を防ぐ」
　「ネットとデジタル機器についての子どものとの約束
　約束は子どもが守るものではない。大人が守らせるもの。守らせることのできる約束をする。早期から始めるほど、守らせるのは容易。守られない約束が放置されている状況がなによりも悪い」
　「お終いが一番難しい
　デジタル機器使用を「お終いにする」ことが、最大の支援ポイント」
「お終いの練習①
　次の使用機会の保障（次の使用予定を明確化、デジタル機器を取り上げられる不安をなくす、親もデジタル機器を嫌っていないと信じてもらう）、お終いへの直接的動機付け（予定通り終われたらご褒美を、賞賛を10分延長チケットでもよい）、お終いの次のスケジュール（ゲームの後は、おやつ・自由遊び、宿題をやりなさいはまずい）、ゲームに合わせた「お終い」のタイミング（進行状況を保存できる場所を、ストーリーや作業の区切り）」
　「お終いの練習②
　お終いができればデジタル依存ではない。お終いにすること自体を手伝う。徐々にルールを緩め、一日の合計時間を決めて配分は任せる。使い終わる時間を決めて後は任せる。いずれ完全に子どもたちの自律に任せる」
　「子どもがデジタル機器をほしい、やりたいと言い出したら
　親が心配していることをはっきり伝える。リスクを親子で共有する。できれば普段のニュースから。話し合いには時間をかける。一律禁止とか、取り上げるといったことは言わない。前向きな話し合いにする。困ったときには相談できる親だと思ってもらえるように。年令と共に制限の解除を。約束で縛れなくなったら、約束を変更さらに廃止する」

　すでにゲーム・ネット・スマホを取り上げたり、なくしたりすることは時代に逆行することになります。つき合い方（特にお終いの仕方）を身に付けるよう、幼い時から練習することが大切だと講師の先生は力説されていました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　令和7年11月1日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　津島市教育委員会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　教育長　浅井厚視